2014年2月19日水曜日

新型スカイラインの登場で日本車は柱を失った!?

  日産がいよいよスカイラインのFMCを日本でも行うのですが、新型モデルは従来のV36の2.5Lモデルと並行で販売され、その名も「スカイラインハイブリッド」。雑誌によっては車名が「NEWスカイライン」になるらしい。せっかくの技術革新満載の1台なのだから、とびきりの名称でも考えて商標登録してくると思いきや、なんとも投げやり感が漂う平凡な名称には少々がっかりしました。

  日産のサイトにはさぞかしド派手に演出されているだろうと思って覗いたのですが、最初に出て来るのがなんとデイズ・ルークス。軽自動車の商戦は税金や消費税の問題でやや複雑な情勢なので急を要するのはよくわかるが、軽自動車の後からスカイラインが登場しても全く高級車としての凄さが伝わってきません。「日本のプレミアムをおどろかそうか」という今回の宣伝文句は実に「当意即妙」だと思うのですが、まったく目を惹かない真横からのシルエット写真に添付されていると、とても「おどろかす」ような気合はみられません。

  ここにきて日産もホンダもいろいろと問題に直面しているようですが、レクサスというプレミアムブランドの分離はとても重要なことだったのがわかります。アキュラは過去に日本での展開を本格的に検討したようですが、失礼ですが日本のどこに旗艦店を作ろうがアキュラやインフィニティの売上では到底、販売店としての一人立ちは無理に思えます。赤坂や世田谷にショールームを作っても普通にプレミアムセダンやプレミアムSUVだけを売るのではまったく見通しが立ちません。唯一これらの店にお客が来るとするならば、GT-RやNSXの後継車をこれらのブランドから発売するくらいの話題性が必要です。

  軽自動車が並ぶ販売店に、ベースグレードでも500万円近くするクルマを買うという人が入ってくるでしょうか? 確かに入りやすいという人もいるかもしれませんが、同時に入りにくいもしくは絶対に行きたくないという人も同じくらいいるでしょう。なにせ日本の消費を担っている人々の多くは「輸入車じゃなければクルマじゃない」と思っているような人々も多いわけです。日産はGT-Rの発売時にハイパフォーマンスセンターを設置しましたが、これに指定されているからといって、中型モデル以上の高級車専門にシフトしたディーラーというわけではありません。外観上も一般のディーラーと全くかわりません。店先に100万円台のメルセデスやBMWを並べた中古車屋のほうが遥かに高級に見えるくらいです。

  日産のディーラーへの苦言が続いていまいましたが、これまでのスカイラインのグローバルモデルが全てハイブリッドに置き換わったというFMCにもとても残念な思いがします。V36スカイラインの3.7Lモデルは長らく日本の中型セダンのボスキャラとして君臨してきました。BMW3やメルセデスCは日本で人気を博していますが、この2台をよりも日本車の方が優れていると証明できる、もっとも分かりやすい例がスカイラインでした。6気筒NAとしては世界最強を誇るVQ37エンジン。高性能なサスペンションと4WSによるハンドリング。ドイツ車の全てに打ち勝つ車体剛性。どれをとっても超一級品でしかも300万円台で買えるという決定版がこのクルマでした。

  もちろん北米価格はBMW3<メルセデスC<スカイラインという正しいクルマの性能順になっていますが、日本価格ではスカイライン3.7LがBMW3やメルセデスCのどのグレードよりも安いのです。クルマ好きならば3やCを買うくらいならスカイラインだろ!という当然の思考が働いたわけです。しかしこの決定版のグレードが廃止になりました。レクサスIS350では3やCの価格を上回ってしまいます。今この瞬間に国産車セダンは絶対的な存在が空位になってしまいました。日産にはもっとこのクルマにポリシーを持って頑張ってほしかったです。確かにまだスカイラインクーペが残されていますけども・・・。


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