2013年11月29日金曜日

スバル・レヴォーグを保守的デザインと切り捨てるのは愚かだ!

  日本人というのは大絶賛が苦手なようで、良さそうなクルマが出てもなかなか素直に評価できなかったりします。特にクルマにこだわりがある人やプロのライターさんほど、そういう傾向が強いです。カッコいいものをカッコいいと言えない・・・だからそんなにダサいクルマに乗ってんだよ!ってツッコミたくなる人って結構いますよね。アウディに乗ってる人が他ブランドのデザインを批判するのって完全に勘違いですよね・・・。

  スバルっていうだけで完全に下に見てる人もいるかもしれませんが、スバル渾身の新型車レヴォーグのデザインはかなりの「出世作」になるんじゃないでしょうか。スバルのデザインの基準はこれまであまり評価されてこなかったですが、レヴォーグのフロントマスクには完全に新しい魂が宿っているように見えます。あとはスバルがこのクルマを安売りせずに乗り出しできっちり300万円取れば完璧だと思います(もちろんクルマは価格じゃないですが・・・)。

  VWゴルフよりも全てにおいて価値が高いクルマなのだから、ヘタにゴルフ・ハイラインよりも安い設定にしてしまうことで、買い手を逃すこともあるんじゃないかなと思います。もしレヴォーグが150万円で買えるクルマだったら、クルマにあまり詳しくない人は敬遠すると思います。そして価格が安過ぎると街中でプリウスのように増殖し、モデルの寿命を極端に縮める可能性もあります。そういう状況は中型車ブランドのスバルとしては歓迎すべきではないでしょう。

  ちょっと前まではフロントデザインに力が無いと言われた日本メーカーですが、瞬く間にマツダ・日産・レクサス・スバルとそれぞれに一目で分かるような個性を持つようになりました。ちょっと気になるのが、どれもこれも遠くから見ると日本車なのかドイツ車なのか分からないです(結構入り乱れて似ている点があるかも・・・)。アウディ・メルセデス・BMWは夜に見るとそれぞれ同じようにワイド&ローのスタイルということもあり、見分けが付きづらかったりします。マツダ・日産・レクサスの"日本3大ブランド"のほうがそれぞれにキャラが起っていて、デザインの"ツボ"は分かれているように思います。そしてスバルもいよいよこのグループに仲間入りするクルマになって来たと思いますね。

 

2013年11月28日木曜日

メルセデスCクラスの新型がなかなかいいかも、発売は来年以降?

  このクルマは将来的にはスカイラインに統合されることが決まっているようですが、来年あたりに登場する新型CクラスはCLAとほぼ同等のボディサイズでFRなのにCLAよりもさらに軽くなるようです。同じガソリンの直4モデルで比較すると、軽量セダンの代名詞とも言えるマツダ・アテンザと互角に渡り合うほどの1400kg台前半の数値になるのだとか。最近のメルセデスの新型モデルはやること成す事が素早くなってきて、再び業界の最先端を走り始めたと言われてますが、このクラスでもガンガンやって来るらしいです。

  メルセデスも今回のCクラスには相当に気合が入っているようで、いろいろと新機構の情報を開示しているようで、発売も意外と早いのかもしれません(来年の夏か?)。なにより驚きなのが、現行モデルに対してこれまでいろいろとブログで批判を加えてきたところが、ことごとく改良されていてビックリですね。私のような素人でもすぐに分かる明らかな欠点をメルセデスが放置するわけないのですが・・・。もしこの事前情報通りのクルマを作ってきたならば、これまでボロクソに言ってきたメルセデスさんにお詫びの意味を込めてぜひ購入させてもらいたいです(予算が折り合えばですが・・・)。

  簡単に言うとSクラスの基本設計をDセグに落としこんだもののようです。日本のレクサスISやクラウンそしてスカイラインなどに使われているサスと比べて、現行はあまりにも貧弱なものが使われています。それがSクラスのものに変わると前輪・後輪ともにワンランク上になり、さらにSクラスに設定されているエア・サスもCクラスのオプションに盛り込まれるのだとか。このクラスではシトロエンC5の専売特許といえるラグジュアリー・ダンパーを装備するとなれば、日本ではかなり人気のオプションになりそうです。

  内装なども早くも公開されていて、現行モデルは一体何なんだ?というくらいに質感が上がっていて、良化というよりもコンセプトそのものが変わっています。これで500万円ならば、まだまだ重量が嵩んだままの新型シャシーを投入しているレクサスにとっては絶望的な状況かもしれません。それにしても日産メルセデス連合はなかなか巧妙です。1800kg台に突入したスカイラインHVと、1400kg台に突入したメルセデスCクラスの作り分けがこのクラスの基本方針のようです。見事なレクサス・BMW包囲網ですね・・・。


2013年11月27日水曜日

E39M5らしいBMWを求めて・・・

  いよいよBMW2シリーズの記事がメディアを賑わせ始めました。とりあえずZ4の4座ハードトップ版でしかない4シリーズは完全無視でいいと思うけど、この2シリーズはいろいろ期待できる点が多いようです。日本仕様がどうなるかというアバウトな点もまだ残していますが、もしこの2シリーズのMTモデルが日本に入ってこないと言うならば、BMWジャパンは何も分かってねーな・・・なんですが。

  それともいちいち注文が多いカーエンスーなオッサン達を寄せ付けないために、ATのみの販売になるのでしょうか? まあクルマのこと何も分かってない人でもBMWを買いにきてくれるほど東アジアではブランドイメージが強く浸透しているようです。東京MSではBMWブースもアウディブースも中国語ばかりが飛び交っている不思議な空間で、テンションがガタ落ちでしたが・・・。

  M5/M6だけが本当のBMWで、あとは女性のためのオシャレカーですよ!という展開でも全然構わないとは思いますが、もしもう少しブランドとして頑張ってくれるなら、この2シリーズに直6ターボ(45kg・m)&MTの刺激的なパッケージの「M235i」のままで日本に持ってきてほしいです。噂によると車重1300kg台!とのことで、このクルマでマツダや日産のお尻をチクチク刺してくれれば、日本のスポーツカーファンが待望するRX-8後継やシルビアターボ後継が実現に向けて動き出すのではという気がします。

  さらにパワーアップしてなお脅威の軽量化に邁進していると言われる新型M3/M4も、車両価格(約1000万円)を考えるとあまりリアリティも無かったりしますが、日産やポルシェを相手に回して十分に立ち回れるような高性能GTカーとしてコンセプトを切り替えて登場するようです。やはりBMWを名乗るならこうじゃなきゃダメですよね。BMWジャパンが導入するモデルラインナップは本国のBMWの実態に即したものでないですし、その歪曲っぷりに失望している日本のファンも多いはずです。

  ちょっと嫌みになりますが、カムリやティアナみたいな「無味なBMW」(320iなど)はハッキリ言って日本に持ってこなくていいと思いますし、多少価格が高くてもBMWを買うならば、例えば12年前のE39M5のような、日本メーカーが国土交通省に封じ込められて作れない領域のクルマを買って楽しむのが正しい姿なんじゃないかと思うのです。


    ↓独アウトカタログの日本語版 本国では330i(MT)とかあります!直6NA!
  

2013年11月26日火曜日

BMW M5を買ってしまおう!と月1くらいで頭を過る・・・

  もちろん中古ですけどね。・・・というか中古じゃないと意味が無いのです。何でかというと、クルマに対する憧れの原体験が大学の頃に読みあさっていたロッキンオン社の「SIGHT」という雑誌のクルマ企画だったことに由来します。当時は憧れのクルマはそこに取り上げられている20台の日独伊英米のスポーツモデルという狭い世界でしか選択肢がなかったのですね・・・。ネットのサイトなんて全然整備されて無かったのでクルマの情報を受け取る手段がなかったですし。

  その20台の中で当時の私の心をガッチリと掴んでいたのが、BMW M5だったのです。まあ価格なんて野暮なことは一切書いてなくて、純粋にスタイルだけを見てこのクルマに将来乗りたいなと思っていたような気がするので、そういうクルマは実際に所有するととても感慨深くて満足できそうだなと思ったりします。それがE39という形式だと分かったのはずっと後のことで日本人デザイナーがデザインしたのも頷けます。アウディA6もそうですが日本人デザイナーのドイツセダンには自然と反応してしまう良さを感じます。

  現行のF10M5は560馬力をDCT制御で駆動させる、完全に今時のスーパースポーツにありがちのパッケージになって、E39M5の頃とは意味合いが違うクルマになってしまったようです。それでも現行の560馬力&DCTよりも400馬力をMTで引っ張って走らせるほうがよっぽど官能的なんじゃないかと思うので、1500万円のF10M5よりも断然に200万円のE39M5じゃないかと・・・。そして200万円か・・・と一瞬色めき立つのですが、満足できるコンディションまでリカバリーすると500万円だろうなと冷静に思い返して、なんとか暴走を食い止めています。

  そういえばパワーが出るエンジンにMTって最近マツダがディーゼル使って発売してますね。アテンザディーゼルの40kg・mオーバーのトルクならE39M5にも少しは近づけているのでしょうか(なわけないかけど)? 似たような企画のクルマで先代レガシィB4には2.0GTスペックBというターボのMTモデルがありましたが、大型化してエレガントになって来年登場すると言われる新型レガシィにも300ps&MTを設定してくれたら、まあターボですけども楽しいクルマになるんじゃないかなと思います。


 

2013年11月25日月曜日

アクセラ・セダンはやはりCセグセダンでしかなかった・・・残念。

  欧州プレミアムハッチバックを蹴散らすとか評判のマツダ・アクセラを見てきました。ハッチバックはなるほどの出来でしたが、密かに期待していたセダンにはちょっとガッカリでした。マツダ車はボディタイプが複数あると、一つのタイプにのみ特化してデザインが良くなる傾向がありますが、今回の3代目アクセラはやはりハッチバック優先のデザインになっています。アクセラに関しては初代からずっとハッチバック優先というのは変わらないですね。

  セダンのデザインも初代から「なかなか」と思わせる部分もあって、初代アクセラはなかなか見かけませんが、10年経ったいまも古さを感じさせないし、前後のライトが印象的で「良いもの」感をしっかり出している逸品です。強いて言えばセダン3代で一番「日本車らしい」デザインなので、カペラを彷彿とさせてしまうらしく、年配の人には人気が無いようですが・・・。

  3代目はいよいよプレミアムカーを強く意識したデザインはいよいよクラスにおける「絶対的」な存在への飛躍をマツダが画策していることが明らかで、ハッチバックはもちろんゴルフやAクラスを超越した存在感がたしかに宿っています。セダンも独自に3BOX車の美学を追求しているのだろうと写真を見る限りは感じていたのですが、実車を見るとリアのオーバーハング部分のデザインに迫力がないです。真後ろからのデザインはなかなかですが、斜め後ろからのシルエットは歴代のアクセラ・セダン、さらには歴代カローラのセダンモデルのイメージがダブります。

  まだ先代モデルの方がリアに個性があったように感じるほどで、トランク部の独立性が希薄です。どうやらフロントのノーズを長く見せるデザインのしわ寄せを受けてキャビンが後方に下がった結果ボディと一体化したトランクのデザインになったようです。Cセグの3BOXデザインは旧BMW1クーペのように、ある程度はキャビンを犠牲にしないとなかなかプロポーションを保つのは難しいようで、スペシャリティカーではないアクセラにとってはなかなか高いハードルになっています。

  それでもマツダが本気でプレミアムブランドへと邁進するつもりならば、アクセラの「見た目」のラインナップを増やすことが不可欠だと思います。Cセグスペシャリティモデルは予想以上に人気が高いらしく、土曜日にはA45AMGを2台も見かけました。どちらも白に青のラインが入り派手なウイングを付けた限定コンプリートモデルでした。アテンザ同様に輸入車からの乗り換えを呼び込むには、常時なんらかの限定モデルが買えるようなワークスブランドとしての「温もり」がほしいところです。



  

2013年11月22日金曜日

テスラが日本でブレイクする日は?

  いよいよテスラが日本でも発売目前となりました。ガソリン車の実績のないアメリカのEVメーカーが幾多の困難を乗り越えて、世界のテッペンと言っても過言ではない日本市場に自慢の初号機を送り込んできます。アメリカを代表するGMやフォードでも全く手をつけられないほどに閉鎖的と言われる日本市場で、アメリカのEVベンチャーに勝算があるのか? と常識的には思うのですが、さすがは全世界にマーケティング手法を輸出するアメリカの超一流コンサルのサポートの元、これならばいきなり売れるのではないかと思える出来映えです。

  このEV事業には連邦政府から多額の資金援助が行われており、道義的にアメリカ市場ではなく、アメリカ車が浸透していなくてEVの普及の余地を多く持つ海外市場をメインターゲットに開発されているようです。よって必然的に欧州と東アジアそして西アジアの富裕層への売り込みが今後活発化していくようです。特にアメリカ車の普及率が異常に低い日本は最重要ターゲットと言えます。

  肝心のデザインですが、次世代EVを売るために最大に戦略的な選択がされていて、なんとフォード・フュージョンに似た4ドアセダンになっています。デザインもすばらしく新型インフィニティQ50やマツダアテンザに匹敵する艶やかなボディラインでクーペのようなラインが魅力的です。

  この選択はおそらく、ガソリン車からEV車へのハードルを超える顧客にとって、EVらしい未来的なデザインはそのハードルをさらに高くしてしまうという判断があったはずです。デザインだけでも心配なく選べる、やや保守的なものにすることで市場への浸透のスピードを早めて開発費を早期に回収しビジネスを軌道に乗せるという青写真があるようです。

  ハイブリッドが出た時のプリウスやインサイトのデザインには、実際に腰が引けてしまった人も多かったようです。トヨタが後から比較的、保守的なデザインのアクアを出した時の市場の反応もそれを如実に表しています。VWも次世代EVを既存のブランドラインにあるクルマのデザイン(ゴルフやup!)をそのまま使って今後導入するようですが、今やそれが常識なのかもしれません。クラウンやISにHVを設定すれば80%を占める人気になるのも頷けます。逆にプリウスがあの奇抜なデザインのままハイブリッド車として市場を納得させていったトヨタの営業力には凄まじいものがあります。

  テスラ「モデルS」は0-100km/hが4.4秒という世界最速レベルのセダンになっていて、しかも発電機を搭載していて航続距離が500kmなのだとか。補助金がたっぷり付いて導入コストもかなり下がってくればとりあえず良さそうな気がしますが・・・。 確か技術のホンダがEVよりもガソリンエンジンがエネルギー効率で勝る速度域が確実に存在すると言っていたので、実際に90km/h以上で日本の高速道路を走るともはやエコじゃない気がしますが・・・どうなのでしょうか? まあカッコイイですけどね。

「テスラ モデルS 動画はこちら」


    ↓社会派ドキュメンタリー映画にトム=ハンクス。自動車メーカーに臆しないハリウッドがアメリカのクルマ文化を支えてる?
 

2013年11月21日木曜日

GS300h HVなら輸入車に負けない・・・という段階ですでに負けてる気がする。

  メルセデスもポルシェ/アウディも上級も上級モデルを中心にハイブリッドの搭載が進んでいますが、そのシステム数値を見るとS400HVでモーター出力がわずかに27psだったりします。クラウンやIS用のハイブリッドはモーター出力が143psなので、これらをひとくくりにハイブリッドのセダンと呼ぶのには違和感があります。

  もちろんメルセデスにも言い分があって、ドイツでの使用環境を考えるとトヨタのような178:143(ps)の比率では、150km/h超の高速域では逆に燃費が悪くなるという判断もあるようです。308:27(ps)でもエンジン負荷の軽減に役立っていてその恩恵は図り知れないほどです。信号がほとんどない区間を90km/h程度で走るテストでは、レクサスISハイブリッド・アコードHV・スバルXVハイブリッド・フィットHVのいずれもが60km/h走行時よちも燃費がわずかながら悪化する傾向にあり、従来のガソリンエンジン車が90km/hの定速走行でカタログ燃費を軒並み超えていたのと比べると、クルマの特性が変わってきたと言えます(それでも新型HVは従来のプリウスやアクアのタイプと比べると高速燃費も良くなってきている)。

  そういう大事なテスト結果はマイナーな技術系雑誌に掲載されていますが、あくまで細かい数字が並ぶデータを細かくみるとわかることで、雑誌本文には決して「高速燃費が悪い」などとは書かれていません。テストや取材に協力してくれるメーカーへの配慮が当然ながらあると思われます。年明け頃にはアクセラHVやスカイラインHVのデータも乗るでしょうが、グローバル戦略モデルの両者のデータはなかなか興味深いです。

  トヨタに幾つもあるハイブリッドシステムの中で、LS600hのものとGS450h/クラウンマジェスタ/先代クラウンHVに使われているものは、海外での販売を意識した設計で、それぞれV8とV6のガソリンエンジン単体で300ps超の馬力を確保しているので、高速燃費は大きく落ちません。しかしカムリHVのシステムを流用したFR用の2.5L直4HVはエンジン単体で178psですので、車重が1700kg程度まで嵩むと明らかに高速での燃費は悪化します。

  エンジンが160psのカムリはFFでトラクションが確保しやすい上、車重も1540kg程度なので、その優れた加速性能が評判となりセダン人気の復活に貢献しましたが、その後に登場したクラウン・IS300hは車重が1680kgと増えました(FRですから当然ですが)。さらにGS300hに至っては1760kgとついに大台を超えてしまいました。絶賛発売中のクルマに横槍をいれるのは不本意ですが・・・。

  メルセデスやBMW、あるいはLSやマジェスタのようにV6以上のエンジンを使ってFRのハイブリッドを作る、もしくはアウディのように直4ハイブリッドはFF専用と割り切るのが、高級セダン用ハイブリッドの正しい道ではないかと思うのですがいかがでしょう。

  
   ↓このハイブリッドも本当に人馬一体なのか?
  

2013年11月20日水曜日

夜の街にLEDを照らしクラウン・アスリートは鮮やかに・・・

  東京MSに持ち込まれる欧州各社のラインナップを見ていると、Sクラスやパナメーラといったトップエンドのラグジュアリーセダンを除き、4ドアセダンを個人ユーザーに買ってもらおうという意識がとても低いのを感じます。もはやプレミアムジャーマン3以外のメーカーはプロパーで中型セダンを設定しておこうという意識はもはやなくなっているかのようです。

  ボルボがS60をけなげに日本に納車しているようですが、開発力の差というべきか日本とドイツの有力メーカーと比べるとクルマのキャラが見えてこないです。。ボルボS60が誇る車体のクラッシュ耐性などは、日本市場で一定の支持を受ける中型セダンならどれもほぼ同水準を達成してしまっています。

  セダンの人気が復活と言われていますが、クラウン以外のセダンが月に5000台とか売れちゃうわけでもなく、アテンザもアコードも「予想よりは売れた」の範疇に過ぎません。いずれも中型セダンとしての使い勝手であるとか、そのものの魅力を徹底的に追求していて、非常に良いパッケージングを達成しているのですが、世の中のクルマのあり方そのものを変えるまでには至っていません。

  レガシィの国内セダン撤退疑惑?が渦巻くなかで、日産が発表した新型ティアナは、各社が神経を尖らして活路を見出そうとしている中型セダンの「緊張感」とは全く無縁に「あっけらかん」に登場しました。全く目新しくないですし、燃費を稼ぐタイプのHVを搭載しただけであとは全て「キープコンセプト」のこの新型車は、もはや中型セダンとして大事な部分が取れてしまって魂が抜けているようにすら見えるのは私だけでしょうか?とにかく期待ハズレ感がハンパないです。

  そんな自動車メーカーのやる気の無さにやや嫌気が差してきて、浮かない気持ちで日々過ごしてきました。そんなある日私の眼前に、鮮やかなLEDを輝かせた中型セダンが夜の闇を裂いて華麗に現れて走り去っていきました。遠目には現行のメルセデスかアウディかなと思ったのですが、横にダラっとだらしなく広がるライトのデザインではなく、どこまでもシャープなライト配置で、薄暗がりの中に大きなグリルがかすかに見えました。

  その優雅にライティングされたシルエットの持ち主は現行のクラウンアスリートでした。パールホワイトを青白く光らせ、月夜に妖艶な車体・・・。このクルマの真の姿を初めて思い知らされました。ドイツ車には絶対に出せない「美しさ」だと思います。メルセデスのようなくどさもなく、アウディのような大陸系の乾燥感もなくLEDライトのデザインはまさに日本の美を象徴するような「陰影」でした。主役不在の現行中型セダンにおいて真打ちはコレだ!と妙に納得してしまいましたね・・・。


  ↓アフターパーツもいいけれど、イヤーモデル制を導入し、よりシルエットにこだわったデザインを目指してほしいです。
 

2013年11月19日火曜日

スバル・レガシィは日本撤退になっちゃうようです

  いよいよ次のレガシィはデザインが良くなって、現実的な選択肢になるのかな・・・なんて悠長なことを考えていたら、いよいよコンセプトモデルが出てきました。しかし東京モーターショーはスキップしてロサンゼルスMSに出されるのだとか・・・。あれれ、良く見ると車幅1900mm!!! これにはたまげてしまいましたね。どうやら日本で売る気は無いようです。

  なんで旧中島飛行機が米国にスリスリしちゃうんでしょうか? なんてしょうもないこと言うつもりはありませんが、三菱のように「技術の高さだけで米国をねじ伏せる」くらいの気概を期待していたのですが、なんかいよいよトヨタの北米部門の立て直しの切り札みたいになっちゃってますね。カムリとカローラが今なお「屋台骨」で、車種の刷新がなかなか進まないトヨタは、GMとフォードの復活の前に苦戦を強いられています。スバルとマツダを傘下に収めた「日本連合」を形成してシェアの低下を抑えたいところでしょうか。

  それにしてもスバルの陣容の変化が目覚ましいです。まったくスパイショットも出回っていない国内専用ワゴンが「レヴォーグ」が東京MSで発表後に時間を置かずに発売になると言われています。このクルマはレガシィワゴンの後継で、北米専用となるレガシィB4の後継がこの「2015レガシィ・コンセプト」なのですが、このクルマの狙いは一体? AWD⇒大型化⇒3.6LV6エンジン搭載⇒ターボ付けて450psオーバー⇒カマロやチャージャーの市場を狙う? といったことが考えられます。

  たしかにトヨタグループは北米でそれなりの数字を持っている「マッスルカー」に関しては、有力な車種を開発してこなかったわけですが、レガシィB4を日本から撤退させレクサスの市場を潰さないようにしつつ、北米の未着手のジャンルへと転用させて一石二鳥といったところでしょうか。それにしても見事なデザインが目を惹きますね。見た目から想像するに、ニッサンGT-Rのようなポジションまで考えた高性能AWDセダンになるような気がします。1860mmくらいまで縮めてくれたら日本で乗りたいですね。



2013年11月18日月曜日

2013東京モーターショー 今回は「何が」始まるのか?

  いよいよ今週に迫った東京モーターショーですが、出品されるクルマがなかなかの粒ぞろいで注目のクルマだけでも軽く10台以上!実際に次のクルマの品定めに行く人も多いのではないでしょうか? 私も次のクルマは「絶対にコレにする」くらいのインスピレーションが得られたらいいなとワクワクしているんですが、果たしてどのクルマが「その気」にさせてくれるのか・・・。

  日産スカイラインとレクサスRC、マツダアクセラ(セダン)の3台はどれも真剣に考えてしまうほどすでに評価が高いですが、これ以外にもさらなる「伏兵」がいろいろありそうです。スバルやスズキといった「デザイン後進メーカー」の追い上げが実はスゴいことになってます。ワゴンや軽自動車なんてどう弄っても限界があるだろうとタカを括っていたのですが、そんな私の矮小な「偏見」を打ち破ってくれそうなクルマがスバル「レヴォーグ」とスズキ「ハスラー」ですね。スバルの最近のコンセプトモデルはどれも完全に「殻を破って」いますので、デザイン未公開のレヴォーグもよほど自信があるんだと思います。

  さらに完全なるアウトサイダーだったスズキの「ハスラー」はいいですね。軽自動車もSUVもほとんど興味はないんですけど・・・。トヨタの「東京都製造」で知られるFJクルーザーがかわいいサイズになった感じなんでしょうか。ホンダ「Nワン」が軽自動車業界に与えた衝撃は予想以上に大きいようでスズキもダイハツもかなり力が入っています。さらに増税が控えている中で軽自動車も魅力を最大限に引き上げないと売れない時代に近づいているようです。増税の良い効果とか言ったら怒られてしまいそうですが・・・。

  「スカイライン」「レクサスRC」「アクセラ」と街中に溢れるドイツ車を鼻で笑えてしまうくらいに3BOXカーのデザインの出来もいいのですが、ドイツ車がダサいなんてのはアメリカ・フランス・イタリアなどでは昔からの常識でした。そんな「カス」デザインのクルマと同じ土俵の上でどっこいどっこいしていたのが、セダン不人気時代のクルマ達でたしかにV35スカイラインやのデザインなど古くささしか感じないですよね。現在のトヨタ・日産・マツダ・スバルは「デザイン」だけを考えて作っているようですが、確かに今や小さくてダサいクルマに成り下がったE90辺りから無理矢理に乗り換えさせるには効果的な戦術かもしれません。


  何はともあれ前回の東京MSで最大の注目を集めたマツダの「あの」コンセプトから日本車の逆襲が始まったわけですが・・・。ただ実際に今回の東京MSに行って、一番印象に残ったクルマになりそうなのが「メルセデスSクラスクーペ」になってしまうのかな。もはやメルセデスのプライドの塊みたいに売る気もそんなにないのに、日本に見せつけておこうというブランド戦略ですね。日本車にはなかなか到達できない世界観にまで突き抜けたドイツ車となるとやはり別格で、安易にレクサスがLSクーペなんて作っても車幅2mなんてとても真似できないです・・・。


  

2013年11月14日木曜日

新型スカイラインはなぜインフィニティマークなの?

  V36に乗っている知り合いが、「NISSAN」から「INFINITY」にマークを変更するとどうか?という相談を受けたことがある。いやダサいでしょ、それは止めた方がいいと即答したのですが、結果的にそのアドバイスが正しかったことが証明され、ちょっとホッとしました。次期スカイラインはあの富士山みたいな「INFINITY」マークが全車標準で付くようです。まあマークなんて気軽(ってほどではないが)に付け替えることができるので大した問題ではないでしょうが・・・。

  ここでちょっと疑問に思ったのですが、2月に発売される次期スカイラインを購入し、あえて「NISSAN」マークを付けるというのもなかなかオシャレじゃないかと・・・。レクサスを買って「TOYOTA」マークに付け替えるみたいなのですね。レクサスもいよいよ欲しいと思えるようなクルマ(GSとIS)を作ってきたので、もしこれを買った暁には「TOYOTA」マークを付けてやろうかなと密かに思っています。

  その意図はというと・・・、1つは日本国内にレクサスなんていらねえという「意思表示」ですね。もう1つはレクサスブランドに憧れたクソ野郎と思われたくない、私はこのクルマの価値が解っていますアピールでしょうか。ホンダやマツダユーザーから路上で余計なプレッシングと軽蔑のを受けることを避ける狙いといったところでしょうか。

  実際にレクサスISがかなり気に入っているけど、レクサスブランドだから買うのいやだ。トヨタかトヨペットから同じ価格で発売してくれるなら買う。そういう人は決してあまのじゃくではなく、まともな感性の人だと思いますよ。なんでもかんでもプレミアムブランドのマークが付いていればいいってもんじゃないです。私の母や彼女はどうしても「スズキ」のマークの付いたクルマには乗りたくないそうですが、それと同じくらいのに「レクサス」マークを敬遠する人もいるはずです。私もその一人ですが・・・。


  

2013年11月8日金曜日

レクサスIS350であれこれ妄想・・・

  今年発売された「レクサスIS350」は、レクサスというかトヨタの本気がかなり詰まっていて、多少は無理しても新車で購入したいと思わせてくれる「ホット」なクルマです。Fスポで乗り出し600万円オーバーですが、まだまだBMWやメルセデスの6気筒モデルと比べれば100万円以上も安いバーゲン価格です。しかもトヨタが本気でマーケティングしてライバルを総合的に上回るクルマです。

  もともとは共通設計の2代目GSが最初に本気で欧州市場を狙ったようですが、なんといっても欧州のお金持ちはとても保守的なので、なかなか思うように欧州の高級車からシェアを奪うことが出来ませんでした。もちろんこの「レクサスGS350」も絶賛されているクルマなんですが、どうも大事なところが「抜けて」います。トヨタの傑作デザインには必ずといっていいほどある「個性的なポイント」がないです。全体的に「キレイ過ぎ」ます。まあどんなデザイン持ってきても欧州の「最も高い壁」を超えるのは難しいというのもありますが・・・。

  やはり頭カチカチでレイシストな「貴族」を相手にするのではなく、日本車に理解があるより柔軟な「スポーティ好き」から攻略したほうがいいだろうということで作られたのが、このレクサスIS350なんじゃないかな・・・と思います。新プラットフォームで送り出したGSが反響無しだったので、今度はかなりの「決断」が入ったデザインになりました。ただレクサス自体がそもそも「スポーティ」を売りにしたブランドではないので、いきなり新型ISを発売して「F30より断然にいいですよ!」だけじゃいくらなんでも全ては伝わらないのでしょうけど・・・。

  欧州に於ける日本のスポーツセダンのイメージはひたすらに「過激」で、スカイラインGT-Rやランエボが日本以上に愛されているということを考えると、新型ISのどこがスポーティなんじゃ!ということになります。日本で見てる限りは馬鹿みたいにオーバースペックなV8搭載のAMGやアルピナと互角以上に渡り合って初めて「メイド・イン・ジャパン」のスポーツセダンとして欧州で「選ばれる」存在になれるのでしょう。しかしこの新型ISには「日本的なデザイン」と「日本的なスペック」でどこまでも勝負するというトヨタの信念を感じます。この点が日本車好きにとっては一番「心地よい」わけです。

  「Dセグセダン」ってやっぱり売れにくくなってますよね。中途半端に作っても絶対に売れないです。特に欧州と日本ではDセグセダンだけを選択肢にする人は少数派で、スポーツカーやSUV、ハッチバック、ワゴン、ミニバンとあらゆる車種と比べられてしまいます。その中から選ばれるのは並大抵のことじゃないです。何もアイディアがなければ「撤退」しかないですよね。プジョー・シトロエン・アルファロメオ・ヒュンダイ・VW 錚々たるブランドがDセグセダンで日本シェアをとる事はできませんでした。

  アコード・カムリ・ティアナは北米市場でまだまだ売れるのでいいですけどね。それ以外の高級モデルは真剣そのものですね。「アテンザ」も「スカイライン」も真剣さがひしひしと伝わってきます。もちろん「レクサスIS」も期待以上の出来だと思いますよ。あの「野暮ったい」だけの先代モデルから、かなり高く跳んだデザインになってます。

  「アテンザ」も「新型IS」も順調に売れていて、おそらく「新型スカイライン」も売れるでしょう。これほど売れにくいクルマを自信満々に作って売ってしまう日本メーカーの底力は凄まじいです。2012-2013は「セダン・ルネサンス」とでも記憶されるはずです。もう完全にドイツメーカーがどれだけデザイン頑張っても太刀打ちできないレベルです。スバルやホンダはここまで「成熟」したトレンドに新型セダンで乗っかれるのか?「レガシィ」はフェイドアウトではなく、次も日本で勝負するそうなので期待したいです。



  

2013年11月7日木曜日

見ているだけで退屈なマークX・・・

  トヨタが「お買い得サルーン」として絶賛発売中のマークXもいよいよ次期モデルではカムリと統合されてしまうと言われています。FRの「スポーツセダン」としてトヨタは売り出したようですが、結局はさらなる熟成を目指すことなく、最後まで「無頓着な人の為の”適当セダン”」で終わってしまうのは、残念ですが仕方の無いことのようです。

  先日も夜中に前を走るマークXを後ろから見ていました。高速コーナーが連続するコースで、コーナーを一つ抜ける度にリアがズルズルと流れて道路幅の左右に目一杯振られています。その度に対向車線にはみ出していて、まあとてもヒドい有様でした。やはり現行のライバル車種と比べて、トレッドの狭さとサス剛性の低さ、そして車重が大きく影響しているのがわかります。トヨタがスポーツセダンとしてではなく、重厚な乗り味のサルーンとして仕上げてしまっているようです。

  マークXなどよりも、ヴィッツやデミオの方が車線をはみ出すこともなく、ある程度のスピードでもラインをきっちりとトレース出来そうな気がします。マークXがこの2台よりも乗って楽しいクルマと断言するのは、すこし難しいところです。高級車としての風格も、スポーツセダンとしての走りもどちらも中途半端で「気持ちの悪い」ところでまとまってしまったクルマと評されているのを見て、いくらなんでもヒドいなと思っていましたが、その意味がなんとなくわかりました・・・。

  確かに箱根に行ってもなかなか居そうで居ないクルマがマークXです。結局はトヨタに営業掛けられた「無頓着な層」が主なユーザーなので、トヨタもクルマをブラッシュアップするには張り合いが無いのかもしれません。クラウンを安くコピーして、さんざんに「お買い得」であることを全面に打ち出していて、トヨペットのセールスマンにとっては最高のクルマです。さらにユーザーを欺くような「スポーツセダン」という煽り文句も付けています。これこそがトヨタの最大の闇だと感じます。

 

2013年11月5日火曜日

ちょっと待て!オデッセイ・アブソリュートだけかよ!


  ホンダの日本市場ラインナップは大変失礼ながら、数年前から「カオス」の状態になっているので、いまさら何とも思わないですが、新型オディッセイが発売されて改めて「なんじゃこりゃ」と思ってしまいました。ミニバンにはなかなか興味が向かず、そのパッケージには全く疎いので、良し悪しはなかなか解らないのですが、トヨタの2代目アルファード/ヴェルファイアがかなり熱狂的に支持されるのは解る気がします。そしてホンダもこの流れに便乗して、自慢の「BMWのような走りの・・・ミニバン」ことオディッセイをアルファードにぶつけてきました。なるほどそっくりですね・・・。

  ライバルのトヨタ勢の主力となっている「中国製」の2.4L直4エンジンに狙いを定めて、日本では未発売となっていたホンダ渾身の新型エンジンを乗せてきました。トヨタはベースグレードのエンジンは「テキトー」に作る主義なので、ブレイドなどにも使われた「汎用」直4エンジンの出来はお世辞にも褒められたものではありません。安さとパッケージの良さだけでクルマは売れてしまっていますが・・・。

  ホンダは最新鋭エンジンを投入して、走行性能でアルファードを圧倒しようという狙いが見えます。トヨタもノア/ヴォクシーのハイブリッド化で対抗することが予想されますが、オディッセイにはアコード用のHVを積もうなどとは考えていないようです。なかなかの「猪突猛進」っぷりで、ホンダらしさというべきなんでしょうか。

  ホンダがこのオディッセイの最大の売りにしているのが、2.4L直4の同排気量ながらエンジンのメカチューンによって2種類のスペックを作っていることです。「アブソリュート」と呼ばれるグレードに搭載される190ps発生のエンジンは、北米でセダンの頂点に返り咲いた現行アコードに搭載されているものです。北米でも直4エンジンが載るミドルセダンが燃費ではなく、フロントの「軽快さ」から選ばれるようになってきました。

  いわゆる、「欧州化」といわれる現象で、GM・クライスラー・フォードが欧州セダンの技術を持ち込んだミドルセダンで売上を伸ばしています。フォードのフュージョンやキャデラックのATSなどが高い評価を受けていて、その先頭を走るのがアコードなんですが、日本で生産しているくせに、なぜか日本で発売しないという「残念」なことをホンダはしてくれています。なんでオディッセイだけにしか、その優秀なエンジンを積まないのか?まったく理解できません・・・。